さわやかな秋晴れのもと、3年ぶりの秋祭りが本宮を迎え、祭り好きの私は朝早くワクワクしながら自転車に乗り、祭り見物に出かけてきました。
毎年10月末に明石市二見町の御厨(みくりや)神社で開催される秋祭りには8台の座布団太鼓がそろい、勇壮な練り出しが披露され、境内はにぎわいと熱気に包まれます。
座布団太鼓には、小学6年生の男子4名(乗子)が乗り込み、太鼓をたたきます。担ぎ手(練子)は70名程度で乗子のたたく太鼓に合わせて乗子と練子が交互に囃子(はやし)を唄いながら担ぎます。そして唄の最後になると座布団太鼓を差し上げた状態から一気に地面に落とす「差し落し」が行なわれ、その荒々しさに見物している人々からは歓声が上がるほど見ごたえがあります。このような荒技が残っているのは、おそらく御厨神社だけでしょう。
遠い昔、私も乗子として座布団太鼓に乗りました。威勢のいい青年団の練子が担ぐ座布団太鼓は激しく大きく揺れるので、飛ばされないように身体中を白布のサラシでぐるぐる巻きにされ、柱に縛り付けられながら太鼓をたたいていました。二見名物の「差し落し」が迫ってくると恐怖で顔が引きつっていたことを今でもよく覚えています。落されるとお尻が痛くて大変でした。
今では皆さんご存知の明石市長の泉くん(小学校、中学校の同級生)も太鼓に乗っていました。黄緑色の鉢巻を頭に巻き、拍子木を叩きながら囃子唄を歌っていた泉くんの幼顔、まさかあんなに有名になるとは・・・。
祭りにはもう一つの楽しみがあります。それは喧嘩です。祭りが半ばをすぎ、宮出しが近づいてくると酒にだいぶん酔った練子たちは気分が高揚し、毎度恒例の喧嘩が勃発するのです。
「早よどかんかいや!(早く向こうに行け)」、「ワレ、何しとんどいや!(あんた、何をしているの)」など日本一汚い言葉と言われている播州弁(関西弁のひとつ、明石、姫路地方の方言)が飛び交い、祭りの盛り上がりに華を添えてくれます。
「祭りと喧嘩は江戸の華」とはよく言いますが、喧嘩が始まると「ヨォッ!、待ってました!!」という雰囲気が境内に広がるのです。
話は長くなりますが、語尾に「~かいや!」、「~どいや!」と付くのが播州弁の特徴です。例えば、標準語「それはなんですか?」、普通の関西弁「それなんやー?」、播州弁「それなんどいや!」とイントネーションが激しいので怒ったように聞こえてしまいます。それが播州弁です。私も子供の頃の播州弁が抜けきらず、社会人になってから変に誤解されたりしてしまうことが多々ありました。
地元、二見のオッチャンたちが話す荒々しい播州弁に比べると、泉くんの暴言など可愛いもんです。
「泉くん、もっとがんばったらんかいや!!」
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